コミックマーケット(通称コミケ・以下同)には、サークル参加のスペースと企業ブースが存在します。
サークルのスペースは、個人が参加費を出して同人誌など自分の作品を頒布する場所です。
それに対して企業ブースは、出版社やアニメ制作会社が商品を出店するブースのことです。
アマチュアの個人(もちろんプロの方もいますがここはアマチュア、として記します)の頒布と企業の出展、この違いです。
それでは、もう少し深く、企業ブースとはどんな所なのか見ていきましょう。
コミケの企業ブースっていつからあるの?
近年になり「企業の列がすごい」「まず企業」という声が聞かれるようになった企業ブースですが、いったいいつ頃からあるものなのでしょうか。
実は企業ブースは、1996年のC51からあります(公式より)。
当時はたったの12社でした。
そして年々増加をし、C71では140社を超え、それからしばらくは130社~150社でほぼ推移していました。
そして近年のC91では181社になり、C92では176社で出店がされました。
企業にとっても、53万人という数の人出が見込めるこの大イベントに出店をすることは多大なメリットがあります。
コミケの企業ブースには、どんな企業が出店しているの?
サブカルチャーの集合体、オタクの聖地とも言われるコミケ、そこに集まる53万人を対象とするため、もちろんまずは、前出のとおり出版社、アニメ制作会社、ゲーム会社などが多く出店をしています。
他にもマイクロソフトやGMOインターネットなどのIT企業など、一見オタクとは少し遠い位置にいるのではないだろうかと考えられる企業も、積極的に出店・参加をしています。
そのアニメ制作に関連は無くとも、限定コラボグッズを販売する企業も多いです。
企業は、お馴染みの所からそうでない企業まで様々ですので、発表があったらコミケ公式サイトをチェックしてみましょう。
企業ブースはどんな所?何があるの?
コミケの企業ブースでは、コミケ限定のグッズ販売をしている所が多いです
コミケへの来場者を対象としているのですから当然ですが、制作とは直接関連の無い企業でのアニメとのコラボアパレル商品や、食品を販売していることもあります。
缶バッジ、アクリルキーホルダー、アクリルスタンド、Tシャツ、スマホケース、タペストリー、クリアファイル、立体ラバーストラップなど上げきれないほど多岐にわたります。
これらは、コミケが近づくと各企業が公式サイトやツイッターで発表をしますので、お目当ての企業がある場合には忘れずにチェックしてみましょう。
また、コンパニオンさんがキャラクターのコスプレをしている所も多く、とても華やかです。
出演声優さんによるお渡しイベントがあったりと、イベントも多く開催されていますので事前のチェックが必要です。
企業スペースの配置、マップに関してもweb上で公開されます。
企業ブースは列がすごい!体力勝負の対策を怠らずに!
近年、企業は西館というイメージになり「西に並ぶ」すなわち死のロード、とも言われるほど、企業ブースは早朝から長蛇の列が続きます。
企業によっては、始発で一般列に並び始めても夕方になっても買うことができなかった、という所があったほどです。
それはかなり極端な例ですが、コミケ限定のグッズともなればファンが殺到するのは当然とも言える話であります。
しかし近年では「限定」ではなく「先行」として発売している企業も多いです。
先行であれば、慌てなくとも後日、どこかの店舗や通販などで入手することができます。
情報を的確に入手し、慌てて列に並ばないように気を付けましょう。
また、特に夏場の列は体力勝負となります。
前日にはよく睡眠を取る、食事を取る、体調が悪い時には無理はしない。
これは企業に並ぶ時に限ったことではありませんが、長時間並ぶことがあらかじめ分かっている場合には、体調管理を心がけましょう。
コミケにおける企業ブースの存在
しかし「企業ブース」はコミケの理念からは外れているのではないかという意見もあります。
作り手と受け取り手が対等であり、そこには「お客様」は存在しない。
全員が参加者である自由な表現の場である、というコミケの理念と、このマーケットを商売にしない手は無い、と新作・限定商品を発売し、収益を上げる企業ブースとでは、理念が違うという意見が出るのももっともでしょう。
また、限定商品で煽り長蛇の列を生み出している、それを手に入れるために徹夜組が増えている、転売の温床、という意見もあります。
確かに、朝一番に企業ブースへ行き、そこでスムーズに買い物ができなければ一日企業ブースにいることになります。
そうなれば、本来のコミケの形である同人誌即売会への人の流れが滞り、コミケは企業のためのイベントなのか、ということにもなってしまいます。
同人誌即売会は、一次創作と同時に二次創作の表現の場でもあります。
そして、その二次創作の公式が企業ブースとして出店していることもあります。
公式とファンの微妙な関係を保ってくれている現在の状況は、とても貴重です。
だからこそ、企業主体だとも言われがちな昨今の風潮は、何らかの改善を願うばかりです。
コミケの企業ブース、ぜひ覗いてみましょう
人が多すぎて敬遠したい企業ブースかもしれませんが、ファンにとってはぜひとも訪れたい場所でもあります。
お目当てのグッズがある場合は熾烈な争いが予想されますね。