年に2度、夏と冬に開催される、世界最大規模の同人誌即売会・コミックマーケット(通称コミケ・以下同)。
各回とも50万人を超える参加者で賑わう、屋内で行われるイベントとしては国内でも最大のものです。
35,000のサークルと企業の出展を目当てに多くの一般参加者が始発から列を作りますが、この記事では「コミケ自体の開会は何時から?」そして「何時から並べばいいの?」という疑問に迫っていきます。
※ 2020年はゴールデンウィーク(5月)と冬(12月)にコミケが開催されますよ
始発組が知っておきたいコミケの開場
コミケの開場、そして一般入場開始は午前10時です。
8時半から列の移動が始まり、この時間になるとスタッフの指示で一般待機列がじょじょに会場内に誘導されていきます。
2019年〜20年の夏コミケ(C96)、冬コミケ(C97)、ゴールデンウィークコミケ(C98)では、従来ビッグサイトの『東館』と『西館』で開催されていたコミケの会場が次のように変更されます。
- ビッグサイト西展示棟
- ビッグサイト南展示棟
- ビッグサイト青海(あおみ)展示棟
何時に並べば…という疑問に対しては、これまでは「午前4時30分より前の来場を禁止する」とされていたルールが、C89より「鉄道各社の始発列車時刻を基準とする」に改定されました。
始発電車でコミケ開場を狙う
始発がビックサイト駅に到着すると、
駅はこのようになります(しかしこの後駅の外でスタッフに止められますので、ダッシュをしても意味はありません)。
とても危ないです。 このダッシュ組を回避しつつ早く並びたい…というためには、
- 近くに前泊し、徒歩で会場に向かう(時間を守った上で)
- 家族などに送ってもらう、タクシーで近くまで乗り付ける
という手があります。
ちなみに始発電車の時間はこちらにまとめていますので併せて御覧ください。
マイカーでコミケ開場を狙う
マイカーで会場近くまで来る、という方法もありますが、周辺のパーキングも関係者や業者などで既に埋まっている可能性が高く、お盆・年末年始料金で上限制度が撤廃されていることがあります。
マイカーは避けた方が無難です。
また、準備会からも公式に「公共の交通機関を利用してください」と告知がされています。
バスでコミケ開場を狙う
もう一つ、バス会社による新しいプランがここ数年で出てきました。
遠方・地方や都内各所からバスで有明直行、始発と同じくらいの時間帯に到着。とても便利です。
しかしこの「始発以降」も、C89からのルールですので今回もそれが適用されるとは限りません。
事前にカタログを読んだり、公式ツイッターをチェックしたりするなどして、確認をしましょう。
コミケ開場まで、待機列での過ごし方!みんな何してるの?
始発時間ごろに到着し、列に並べたとします。
スタッフに誘導され、列が動き始めるのが8時半。
この時間までは、一時的に列を離れることができます。
トイレに行くこともできますので、できるだけ行っておきましょう。
1人参加の場合は、自分の後ろと左右の人に声をかけるようにします。
コミケ開場待機の間にやること
早朝から3時間ほど。冬は寒空の下、夏はじわじわと明けゆく朝日の下で、何をして過ごそう?という疑問が生まれます。
携帯ゲーム、小説を読む、カタログを読み込む、友達と話す、などさまざまです。
持ち物でジャンルや趣向を判断し、同士だと思えば思い切って「○○お好きですか」と話しかけてみるのも楽しいです。
まったく見知らぬ人に突然話しかけるのはハードルが高いですが、そこでもしも気が合えばもうけものです。
3時間、と聞くと長く感じがちですが、割とすぐに時間は過ぎてしまうものです。
コミケ開場待機列の注意
なお、冬は防寒対策、夏は暑さ・日差し対策を万全にしましょう。
必要な持ち物一覧はコミケの初心者向けの情報まとめで紹介しているので御覧ください。
小さな折り畳みの椅子があると便利です。前日はたっぷり睡眠を取り、体力を蓄えておきましょう。
手荷物検査を受ける
待機列で待っている間に手荷物検査を受けるはずです(毎回実施ではありません)。
特にオリンピックが近くなり、世界的にもテロの驚異が高まる昨今なので、少なくともオリンピックが終了するまでのコミケは毎回手荷物検査があると考えておきましょう。
気になる手荷物検査の内容ですが、ごく簡易的なもので終わることがほとんど。
手荷物検査の実態を紹介しているので、こちらも御覧ください。
いろいろあるよ、待機列
一言で待機列といっていもコミケには様々な待機列が存在します。
開場前の待機列、開場後の待機列、サークル待機列にトイレ待機列など、待機列を詳しく解説したのがこちらです。
コミケ開場前の徹夜問題を考える
ここで、毎年毎回問題になってくる「徹夜」について少し考えます。
人気サークルさんの新刊を絶対に手に入れたい。
企業の限定グッズが欲しい。
そのためには始発じゃだめだ、もっと早く並ばなければ。
そういった気持ちの行き先が「徹夜」になっています。
現実問題として「徹夜はやめてください」とこれだけ言われているにも関わらず、前日夕方、夜から自主的に列を形成し、並んでいる徹夜組は毎回見られます。
しかし、公式で「やめてください」と再三注意をされ、「何か問題が起こってからでは遅い」と言われているにも関わらず無くならないのが現実です。
深夜の屋外で、6000人とも言える未成年から大人までもがビックサイト周辺をうろついているのです。
近隣には住宅街は無いとはいえ、治安的な面でも不安があります。
これによりコミケが「徹夜を黙認している」状態になっているのは否めません。
そのため、いつ警察や都から、コミケの運営自体に何らかの指導が出てもおかしくありません。
コミケがこれからも円滑に運営、開催されるために「自分だけはいいだろう」「みんなやっているから」という考えではなく、まず自分はやめよう、と一人一人が思っていくことが大事なのではないでしょうか。
頑張らずにゆっくり行く!昼から楽しむコミケ
早朝から張り切って一日満喫するのもコミケの楽しみ方であれば、10時半を過ぎ、11時やお昼頃に到着するようにゆっくり行くのもコミケの楽しみ方です。
必ず早朝から行かなければ何も買えない、という雰囲気や空気がありますが、そんなこともありません。
午後になっても買えるようにたっぷりと搬入をしてくれるサークルさんもいますし、開場直後の、どこに何があるのかまったく分からなくなるような混雑を避けることができます。
突然人気が出たジャンルやサークルさんでは、開始30分で完売し購入ができないということもありますが「チェックしたサークルさんの本やグッズは全部欲しい!」というつもりでなければ、ゆっくり会場に向かうのも良いでしょう。
コミケサークルのまわりかた
本やグッズが欲しいというのは大前提として、コミケには基本的に、そのサークル主さんつまり描(書)き手さん、作り手さんがスペースにいます。
そして対面の手売りで自分の作品を頒布しています。
手紙や差し入れ、あるいは「いつも見ています」と一言でも伝えることができるチャンスです。
そして、それができるのが午後です。
人気サークルさんでは大抵、朝一番は流れるような頒布になり、買えばそのまま列を離れなければいけません。
とてもお話しできるような余裕はありません。
お昼を過ぎると、会場内はグッと、のんびりとした空気になります。
あらかた狩りを終えた一般参加者は、早い人は帰宅の路へ、会場内外のカフェでゆっくりとお喋りを楽しむ人たちも増え始めます。
サークルさんも自分のスペースを離れてゆっくり買い物に出たり、スペース内でご飯を食べたり、頼まれたスケッチブックを描いたりしています。
一言でも好きだということを伝えるのには、この午後の時間が有効です。
ゆっくりと会場に来ているので、体力・精神力ともに余裕があるはずです。
思い切ってまず名乗り、それから「○○さんいらっしゃいますか」と声をかけてみましょう。
きっとサークル主さんのモチベーションになるはずです。
また、昼ごろから行くことで会場内をゆったりと見て回ることができます。
お目当てのサークルさんの他にも、自分では予想もしていなかった本に一目惚れするなど、掘り出し物に出会えるかもしれません。
それもまた、コミケの楽しみ方です。
始発組もゆっくり組も、コミケを楽しもう
朝早くから列に並び、ルートを決めて狩りに走る。
昼過ぎにゆっくり来て、会場内をぶらりと見て回ったり交流を楽しんだりする。
どちらもコミケの楽しみ方ですね。
朝早ければそれだけ体力も消耗しますが、競争率の高い物は手に入るかもしれません。
また、それもお祭りのうちだという楽しみ方もあります。
事前に「今回のコミケはこうしよう」と予定を立て、無理をしないように自分なりのコミケを楽しみましょう。