毎回50万人〜70万人が訪れるコミケ。
コミケに関わることで動くお金も相当なものでしょう。
そこで今回はコミケに関係するお金にまつわるデータを集めてみました。
コスプレ料金は約1,700万円
コミケ会場でコスプレするためには1人1,000円の利用料がかかります。
2019年夏コミ(C96)を例にとると、4日間開催で更衣室の利用は男女合計で16,886人だったと発表がありました(C96アフターレポート)。
掛け算すると、
1,000円x16,886=1,680万円
実際はこれにさらに1,000円はらって優先入場するレイヤーさんもいるため、コスプレ料金は全体で約1,700万円くらいが妥当かなと。
夏よりも冬のほうがコスプレ人数は増えますので、金額はもう少し大きくなりますね。
企業ブース申し込み料は約6,000万円
コミケの企業ブースに申し込むためにも参加料が必要で、全体でざっくり6,000万円と見積もりました。
詳しい出展料が見つからなかったのですが、こちらの考察ページのコメント欄にあった情報を参考にさせていただきました。
1ブースあたり約30万円〜40万円ほど。
この類のイベントに出展するための相場としては平均的な額といえるのではないでしょうか。
コミケの会場費は1億円以上
コミケが開催される東京ビッグサイトの会場使用料は1億円以上します。
例えば2019年夏コミ(C96)を例にしましょう。
東京ビッグサイトのHPによると、西展示場・南展示場・青海展示棟を1日貸し切ると約2,300万円(税抜)かかることがわかります。
初の4日間開催となったC96は、前日の準備日を含めると5日間にわたり会場を抑えます。
つまり、
2,300万円x5日間=1億1,500万円
なんということでしょう。こんなにも費用がかかっているのですね。
2020年オリンピック終了後は青海展示棟が無くなる代わりに従来の東展示場が使えるようになります。
東・西・南すべてのホールを借りるとすると1日約4,400万円。
開催日程は3日間(+準備日1日)に戻るので、4,400万円x4日間=1億7,600万円
会場費用は少し増えることになりますね。
カタログ販売は3億円以上
コミケに欠かすことができないカタログの販売額は、おおよそ3億円以上と見積もることができます。
少し古い資料ですが、2014年に発表されたコミケ資料によるとカタログ発行部数は
- 冊子カタログ(2,000円):10万部
- ROMカタログ(2,500円):4万部
とのことですので、掛け算すると
冊子2,000円x10万部=2億円
ROM2,500円x4万部=1億円
合わせて3億円という計算になりますね。
コミケ当日に会場で販売される冊子カタログは2,500円ですので、実際は3億円よりももっと売上げているはず。
Webカタログについては残念ながら利用数が公表されていないので金額は不明です。
サークル申し込み料は3億円以上
サークルで申し込むためにはサークルごとに8,000円必要で、それに加えて申込書1,000円やオンライン申請だとさらに1,000円必要です。
ざっくり1サークルあたり10,000円かかると計算し、2019年夏コミ(C96)の32,000のサークル数で計算すると、
10,000円x32,000=3億2,000万円
という巨額なお金が浮かび上がりますね。
でも実はコレ、開催スペースの都合上、毎年サークルは応募数の7割くらいしか当選してないんです。
オリンピック以降はコミケ会場が広くなるんですが、応募したサークルが全て当選したと仮定すると約45,000サークル程が参加することになります。
つまり、
10,000円x45,000=4億5,000万円
と、さらに金額が膨らみますね。
これだけでもコミケ運営はかなりプラスになるのでは?と思いますが、実はコミケは会場費以外でも莫大なお金がかかっているようなのです。
コミケ開催の総費用は6億円以上
2005年のコミケ開催前の拡大準備集会において、コミケにかかる費用に言及するシーンがあったようです。
Q:コミケット開催時の収支は?公開しないのはなぜ?
A:毎回5~6億円程度の支出。サークル申し込み代金では賄えず、カタログ代捻出で少々の赤字。カタログ広告費用などでもつらいとのこと。
衝撃的な金額です。
これは東京ビッグサイトの使用料1億5千万円を含んだ金額です。
参加スタッフはみんなボランティアなので費用は発生しませんが、それでもご飯代やドリンク代などは賄うでしょう。
さらに警備員はちゃんと雇う必要があるので、そっちには人件費が相当かかりそうです。
会場周辺設備への支払いなんかもあるかもしれませんし、広告費だってバカにならないでしょう。
5〜6億円というのは14年も昔の額なので、参加規模が大きくなった今で考えると支出はもっと増えている可能性が高いですね。
コミケに限らず、あらゆるイベントは赤字運営では継続不可能です。
長い歴史のあるコミケがここまで続いているのも黒字運営されている証拠なのですが、金額が物凄いですね。
コミケで使う金額は150億円
2010年夏コミケ(C78)で実施されたコミケ35周年調査において、一般参加者がサークルスペースと企業ブースで使う金額の平均値が公開されています。
これによると、サークルスペースでは男女平均して1人約25,000円、企業ブースでは男女平均して1人約6,000円つかっていることが明らかにされました。
キリのいいところで1人30,000円で計算しましょう。
2019年夏コミ(C96)の参加人数は73万人。
ただしこの中には複数日にまたがって参加している人がいたり、興味本位でのぞきに来た人を考え、計算対象の人数を少し絞って50万人にしましょうか。
30,000円x50万人=150億円!
なんと1回のコミケで150億円もの消費があることがわかります。
実際はこれに加えて飲食代や交通費もかかることから、金額はもう少し増えるはず。
いずれにしてもコミケの恐るべきパワーを感じざるを得ない結果といえるでしょう。
コミケの経済効果は200億円以上
ネット界隈では一般的にコミケの経済効果は1回の開催で180億円といわれることが多いようです(根拠は見当たりませんでした)。
ただし直近の2019年夏コミケ(C96)の4日間開催は述べ70万人以上が来場して過去最高参加人数を記録したことを考えると、なんとなく200億円くらいは経済効果がありそうな気がします。
経済効果は一般的に『直接効果』と『波及効果』の2つにわけて考えられます。
直接効果は当事者同士による直接のやり取りのこと。
コミケでいうとサークルや企業スペースでの金銭の授受のことです。
波及効果はそれ以外の場所で発生する影響のこと。
周辺のコンビニの売上だったり宿泊ホテル、移動の電車・飛行機代などがこれにあたりますね。
これらを全て合計した額が200億円以上というわけなのです。
さらにコミケは夏・冬2回開催なので、コミケによる経済効果は1年で400億円にのぼる計算になるのです。
恐るべきコミックマーケット
こうやって金額を並べると圧倒されますね。
『好き』を極めた圧倒的多数の集団が持つパワーは、今後の日本経済の活性化に間違いなく貢献することでしょう。